2017年、世界を変えたイスラエルの"Superhero"9社
今日で2017年も終了。2月にイスラエルに引っ越してから、たくさんの会社を訪問させていただきました。
イスラエルで有名なニュースサイト”NoCamels”に、今年世界を変えた9つの会社が発表されていたのでご紹介します。私も何社か訪問させていただきましたが、どれも魅力的な会社です。
- Zebra Medical Vision
2014年設立。AIをもちいた医療診断の技術を開発。
何千もの病気の診断を受けたスキャンを解析し、病気の兆候を見つけると同時にいち早い診断が可能になる。既に乳がん、脊椎骨折、骨粗鬆症、脂肪肝、動脈瘤、脳溢血で利用可能とのこと。
現在スキャン毎に$1で病院や医療関係者が利用可能。既にGoogle Cloudとの提携も決まっている。
創業者は、手頃な価格で、誰でも画像技術が活用できるようにしたいと。
- OrCam
エルサレムの会社。視覚障害がある人に最適なツール。
MyEye2.0というメガネに引っ掛ける手軽なデバイスで、手のしぐさやタイプされた文字(新聞、本、レストランメニュー、サイン、商品ラベル、PCやスマホのスクリーン)を読むことや、リアルタイム顔認証が可能。読み込んだ顔の中から、重要な人たちを見極め、音声記録も可能。
創業者はなんと、今年$15BでIntelに売却されたMobileyeのAmon Shashua氏とZiv Aviram氏。 - Sesame Enable
2012年設立。初のハンドフリースマホの技術。
こちらも障害がある方に便利。頭の動きと音声でスマホが利用できるもの。
創業者は事故で四肢まひになったGiora Livne氏。 - Vayyar Imaging
先日ソフトバンクが 業務提携を発表した会社。
電波を利用して、物質や水の中にあるものさえも3D画像解析が可能な技術。
肌や細胞組織の中にあるがん細胞さえも解析可能。医療以外にも、自動運転、建築、農業、スマートホーム、ロボットにも活用されていると。 - Impact Labs
WeWorkとのコラボで“hardware innovation center” を開設。起業家、企業、社会的イノベーターの活動を支援。特に障害者や高齢者等、生活に不自由がある人をターゲットとしたプロジェクトをサポート。 - Team8
2012年設立。スタートアップビルダー。
革新的なサイバーセキュリティ技術を世に送り出すスタートアップの育成や設立を目的としている。
Microsoft、Cisco、Eric Schmidt 氏の Innovation Endeavors、 シンガポールの Temasek Holdingsや三井物産等、名だたる投資家がずらりと。
8200部隊のトップ1%の卒業生をいち早く見つけ出し、起業を支援。 - Argus Cyber Security
2012年設立。侵入検出システム(Intrusion Prevention Systems (IPS)) で有名。ドイツの自動車部品メーカーのContinental社に今年$400Mで買収されたばかり。
将来、自動運転や高度なコンピューターを搭載した車両が増える中、サイバーセキュリティが鍵。
設立理念は、”道路を走るすべての車両をサイバー攻撃の脅威から守ること”だと。 - Innoviz Techonologies
自動運転システムで欠かせないのが、カメラ又はセンサー。Intelに買収されたMobileye社はコスト安の単眼カメラで開発を進める中、多くの競合はLiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)を使用。
その中でも3Dリモートセンサーで周辺を3Dマッピングできるのが同社。
今年、Bラウンドで、GM系のDelphi Automotiveとフォード系のMagna Internationalから資金調達をしたことで、競合他社より一歩前に出た。 - Institute Robotics
2017年はAIスピーカーの市場が一気に盛り上がった。
同社が開発するのは特に一人暮らしの高齢者向けの小さなロボット。
日本の会社の人にも紹介したことがあるが、高齢化が進む日本にはぴったり。2015年に設立した同社は、今年$20Mを調達。Toyota AI Venturesも投資に参加。
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